自動車メーカーの勤務地、ぶっちゃけどこが都会?8社を100点満点でガチ採点した
乗用車メーカー8社の理系の勤務地を、買い物・通勤・東京駅と空港の100点満点で採点。1位はまさかのマツダ、最下位は業界の王者トヨタ。
8社の勤務地「都会度」ランキング
- 1マツダ78.8点
- 2日産76.1点
- 3ダイハツ69.5点
- 4スズキ66.9点
- 5ホンダ63.3点
- 6三菱自動車60.7点
- 7SUBARU57.1点
- 8トヨタ53.3点
先に言っておきます。自動車メーカーの勤務地は、だいたい都会ではありません。
車を作るには広い土地が要ります。広い土地は、だいたい街の外にあります。もうおわかりですね。
……で終わると記事にならないので、今回は「じゃあ、どれくらい都会じゃないのか」を点数にしてみました。私も就活生のころに各社の勤務地を調べましたが、理系の勤務地って、事業所は多いし、研究所だの工場だの種類はばらばらだし、どこに何人配属されるかも非公開。検索してもふわっとした噂しか出てこないんですよね。
採点ルール
対象は乗用車メーカー8社。理系が配属されそうな拠点を、新卒の募集要項・事業所紹介・技術系インターン・技術系の中途求人から集め、100点満点で採点しました。
| 項目 | 配点 | 見たこと |
|---|---|---|
| 買い物 | 50点 | 最寄り駅から大きな繁華街(新宿・梅田・栄・天神など)まで何分か |
| 通勤 | 25点 | 駅から拠点まで。徒歩10分以内なら満点 |
| 東京駅・空港 | 25点 | 東京駅と、羽田・成田・関空まで何分か(半分ずつ) |
新卒の配属人数は非公開なので、技術系の中途求人の勤務地の割合を「配属されやすさ」とみなして、会社の点を出しています。中途と新卒は同じではないこと、東京駅の項目があるぶん関東が少し有利なこと、家賃や寮は見ていないことは、先にご了承ください。
採点のしかた
- 1理系が配属されそうな拠点を集める
- 2拠点を100点満点で採点する
- 3配属比率で重み付けして会社の点にする
- 50点買い物
- 25点通勤
- 25点東京駅・空港
では、下から発表します。
第8位 トヨタ(53.3点)
トヨタの配属比率と拠点の点
なんと、業界の王者が最下位です。勤務地がどこでも人は来る、という王者の余裕でしょうか。
「トヨタの勤務地は僻地」という噂、聞いたことありますよね。そもそも愛知に住んだことが無いと、愛知のどこが都会なのかもよく分かりません。
トヨタ本社と名古屋の位置関係
- 配属先の拠点
- 繁華街・ターミナル
- 最寄り駅
誤解のないように言うと、愛知は田舎ではありません。名古屋駅も栄も、ちゃんと都会です。問題は、トヨタがそこにいないことです。本社の最寄りの三河豊田駅から名古屋駅までは、朝の電車で1時間13分。本社は駅から徒歩15〜20分、工場はタクシー前提です。トヨタのお金があれば、敷地の中に駅くらい作れそうなんですけどね。
配属の約8割がこの豊田市で、点数は40点台後半。名古屋駅前のオフィス(88点)に行ける人も1割ほどいますが、焼け石に水でした。
第7位 SUBARU(57.1点)
SUBARUの配属比率と拠点の点
三鷹に研究開発の拠点(85点)があって、「お、勤務地いいじゃん」と思ったあなた。残念、群馬です。
ネットでは「グンマー」の愛称で親しまれる群馬ですが、採点でもしっかり秘境の実力を見せてくれました。本工場は太田駅から徒歩7分と近いのに、東京駅までは1時間半以上。しかも配属比率が約7割なので、会社の点をがっつり引き下げました。
ただ、救いもあります。今回の配属比率は中途求人の数から出していて、その求人は群馬の開発職が多めでした。一方で、会社が公表している研究開発部門の人数は、約9割が三鷹です。研究開発職で入るなら、三鷹に行ける確率は今回の推定より高いかもしれません。配属運に自信ニキは、ぜひ三鷹を狙ってください。
第6位 三菱自動車(60.7点)
三菱自動車の配属比率と拠点の点
また愛知です。技術系の約8割が岡崎の技術センター配属と推定されます。
岡崎といえば、超大物YouTuberグループ・東海オンエアの地元。動画でおなじみの、あの穏やかな景色です。技術センターは新安城駅からタクシーで約15分と、駅からもしっかり離れています。
ただ、新安城から栄までは電車で約40分。愛知を支配していると噂の某メーカーよりは、街に出やすいです。東京・田町の本社(駅から徒歩1分、満点)にも1割ほど配属されます。東海オンエアのファンの人、聖地勤務のチャンスです。
第5位 ホンダ(63.3点)
ホンダの配属比率と拠点の点
天国は和光の研究所(89点)。和光市駅から「埼玉の首都」池袋まで、なんと19分です。毎週末ヨドバシカメラに行けちゃいますね。
地獄……とまでは言いませんが、配属比率が約45%といちばん大きいのが栃木(46点)。宇都宮駅から今話題のライトレールと徒歩で約50分です。宇都宮で餃子を楽しみながら毎日50分かけて通うか、拠点の近くに住んで餃子を遠くから想うか。悩ましい二択です。
ちなみに、ソニーとの合弁会社ソニー・ホンダモビリティは東京・港区にあって、勤務地は最高だったはずです。ですが2026年4月に事業縮小が発表され、約400人の従業員は原則全員が両親会社へ再配置されることに。都会の夢は、はかないものです。
第4位 スズキ(66.9点)
スズキの配属比率と拠点の点
約96%が浜松の本社。高塚駅から徒歩10分と、通勤はかなり楽です。
ただし落とし穴が2つ。1つ目は、静岡県が思ったより横に長いこと。浜松は県の西の端で、東京駅までは新幹線でも約2時間です。「神奈川の隣だし近いっしょ」は通用しません。
2つ目はインドです。スズキ(現地法人のマルチ・スズキ)は、インドの乗用車市場でシェア約4割のトップ。人口世界一の市場を押さえているのは、ビジネスとしてはめちゃくちゃ強いです。ただそのぶん、海外駐在となると、インドの可能性はかなり高いと思っておきましょう。静岡近辺が地元の人、東京にあまり出ない人、そしてカレー好きの人におすすめです。
第3位 ダイハツ(69.5点)
ダイハツの配属比率と拠点の点
約8割が大阪府池田市。ここまで秘境めぐりをしてきた目で見ると、池田市は驚くほど普通の街です。北摂の落ち着いた住宅地で、池田駅から梅田までは約27分。
東京駅まで3時間以上かかって東京駅の点がほぼ取れずに3位ですが、関西に住みたい人には実質1位です。
……この辺になってくると、中途半端な田舎具合なので、書くことがなくなってきますね……。第2位 日産(76.1点)
日産の配属比率と拠点の点
ニュースでは何かと話題の日産ですが、勤務地は意外とまともです。
日産の厚木・横浜と、町田・新宿の位置関係
- 配属先の拠点
- 繁華街・ターミナル
- 最寄り駅
半分以上は厚木のテクニカルセンター。「神奈川」と聞いて想像するキラキラ感はありませんが、愛甲石田駅から通勤バスで約15分、そこから町田まで約20分、新宿へも特急で約1時間。横浜の本社(100点)や横浜工場(94点)に行ける人も一定数います。
心配ごとを挙げるなら、本社ビルを2025年12月に売ったこと。ただ20年間借りて使う契約なので、明日追い出されることはなさそうです。
第1位 マツダ(78.8点)
マツダの配属比率と拠点の点
マツダ本社と広島の中心部の位置関係
- 配属先の拠点
- 繁華街・ターミナル
- 最寄り駅
約93%が広島県府中町の本社。向洋駅から徒歩約5分、広島駅まで乗車7分、繁華街の本通まで30分以内。東京駅までは4時間以上かかって、東京駅・空港の項目は25点中7.5点しか取れていないのに、見事1位に輝きました。
1つだけ注意。山口県の防府工場(25点)が新卒の初期配属先に載っています。生産技術で入る人は、ここの可能性を確かめておきましょう。
番外編:トラック・バスのメーカー、立地が強すぎる
商用車4社を含めた12社のランキング
- 1三菱ふそう91.3点
- 2マツダ78.8点
- 3いすゞ78.1点
- 4日産76.1点
- 5UDトラックス75.0点
- 6ダイハツ69.5点
- 7スズキ66.9点
- 8ホンダ63.3点
- 9日野62.7点
- 10三菱自動車60.7点
- 11SUBARU57.1点
- 12トヨタ53.3点
緑の棒が商用車メーカー。
同じ採点を商用車メーカーにもやってみたら、乗用車勢が泣きそうな結果になりました。
- 三菱ふそう(91.3点):12社でぶっちぎりの1位。川崎市中原区で、新川崎駅から横浜まで8分、東京駅まで22分。川崎と聞いて身構える人もいますが、中原区は武蔵小杉を抱える人気の住宅地です
- いすゞ(78.1点):藤沢工場が中心。湘南台駅から送迎バスで約14分、横浜まで約30分。湘南ライフが送れます
- UDトラックス(75.0点):国内の拠点は埼玉県上尾市だけ。池袋まで40分
- 日野(62.7点):日野市の本社は新宿まで31分で79点。ただ群馬と茨城の工場もあって、会社全体では真ん中より下。ここでも群馬が立ちはだかります
乗用車メーカーでも狙える、当たり事業所
会社の点が低くても、「当たり」の事業所はあります。配属を十分狙えそうで、立地がいい事業所を2つ紹介します。
配属を十分狙えて、立地がいい事業所
SUBARU
東京事業所(三鷹)
拠点の点 85点配属比率 約27%
- 武蔵境駅か三鷹駅からバス
- 武蔵境から新宿まで約18分
ホンダ
和光・朝霞(埼玉)
拠点の点 86〜89点配属比率 合わせて約41%
- 和光市駅から徒歩15分。池袋まで19分
- 朝霞は北朝霞・朝霞台から徒歩12分。池袋まで28分
どちらも、会社の点を引き下げた拠点(SUBARUの群馬、ホンダの栃木)とは別の場所です。勤務地を気にする人は、会社名だけでなく「どの事業所の部署か」まで見ておきましょう。
まとめ
勤務地で選ぶなら、タイプ別のおすすめ
関東に住みたい
日産
2位・76.1点
関西に住みたい
ダイハツ
3位・69.5点
地縁にこだわらない
マツダ
1位・78.8点
結論、自動車メーカーの勤務地は全体的に都会ではありません。コンサルやIT系と比べると、一歩どころか三歩も四歩も遅れを取っていそうです。それでも勤務地で選ぶなら、関東派は日産、関西派はダイハツ、どこでもいい派はマツダです。
年収トップのトヨタ(平均1,006万円、2026年3月期の有価証券報告書)が勤務地では最下位。お金と都会、両方くれる会社はなかなか無いですね……。
出典
- 各社の公式サイト(会社概要、事業所ページ、新卒募集要項、キャリア採用の求人)2026年9月27〜28日取得
- 各社の有価証券報告書(2026年3月期。日野は2025年3月期)
- 経済産業省「平成26年商業統計」500mメッシュデータ/国土数値情報 鉄道データ(2025年)
- Yahoo!路線情報(2026年10月3日(土)9:00発で検索)
- ソニー・ホンダモビリティの事業縮小(2026年4月21日 3社共同発表)
- 日産の本社売却(2025年11月6日 適時開示)
- マルチ・スズキのインド乗用車市場シェア(2025年度。業界統計をもとにした報道)